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資料

手巻き時計の正しい巻き方について

2018/09/05

今更ですが、皆さんは手巻き時計の正しい巻き方をご存知でしょうか?

「いくら何でもそんなの知ってるよー」「ただ巻くだけじゃないの?」

そんな声が聞こえてきそうですね。

しかし、実は日頃店で気にして見ていると、結構危うい巻き方をなさっている方が多いものです。

 

ここでは、動画を使って手巻き時計の正しい巻き方について説明したいと思います。

先ずは下の動画をご覧ください。

 

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最初に出てきた「正しくない巻き方」では、リュウズを巻く度に指を離しています。

手を離すたびに、「カチッ!カチッ!」と、部品同士の衝突している音が聞こえますね。

なぜこの巻き方が正しくないのか?

その理由は、この巻き方を続けているとゼンマイを巻き上げている角穴車の固定ネジが緩んで外れたり、歯が折れたり、角穴車が巻き戻らないようにしているコハゼを破損させる可能性があるからです。

 

一方で、動画の後半に出てきた「正しい巻き方」では、リュウズから指を離さずに巻いたら戻してを繰り返しています。

こちらはゼンマイの力によって逆転しようとするリューズを保持したままゆっくり戻しているので、角穴車やコハゼに急激な衝撃が掛からない訳ですね。

 

角穴車の歯やコハゼが破損すれば、当然、部品自体の交換が必要です。

アンティーク時計の場合、同じ部品の入手は不可能なケースも多く、そうなると、部品を製作することになります。

物によっては、諭吉さんが何10人も飛んで行くことになりかねません!

くれぐれもご注意下さいませ。

 

ちなみに「リューズを戻すと歯車が傷むような気がする」という声もありますが、ご心配なく。

角穴車を回すキチ車やツヅミ車はラチェット歯になっているので、適切に注油されている限り、傷むことはありません。