過去の修理・カスタマイズ
資料

販売商品と修理品

2017/03/28

先日、電話でこんなご質問をいただいた。

 

「パスタイムさんで修理した時計なら、そちらで販売している時計と同様の仕上がりになってるんですよね?」

 

更にお話しを伺うと、、、どういう経緯か、パスタイムで修理した保証書がついている時計が 「ヤフーオークション」 に出品されていて、、、その落札、購入を考える上で確認したかった、とのこと。

 

 

実のところ、これは店頭でも聞かれることなのだが、いつも通り、こうお答えした。

 

「ごく稀になる場合もあるけれど、ならない場合が多い。」 と。

 

誤解を避けるため、この場で少々説明しておこうと思う。

 

 

先ず 「修理品」 に関して。

 

通常、時計の修理をお預かりする際には、 「修理後の時計の作動に問題がある」 または「近い将来問題になる可能性があると判断された時」 または 「オーナーによって特別にリクエストされた時」 以外は、内・外装部品の外観をいじることはない。

 

外装部品で言えば、エナメル文字盤のキズ、ヒビ、割れ、不揃いだったり錆びたりしている時・分・秒針、、、それからケースの凹み、ヒンジ(蝶つがい)のガタ、金張りの剥がれ等。

 

内装部品で言えば、受け板・地板の大きな傷、形状の揃っていないネジ、スティールパーツの大きな錆び跡、等といったところか。

 

作動に支障がない限り、勝手に加工したり交換したりはしない。

 

したがって、基本的に、修理後も時計の外観はそのままなわけだ。

 

 

一方で、商品の場合はどうだろう?

 

事実上完全な修復が不可能なエナメル文字盤のキズやヒビはそのままにならざるを得ないから、そもそも完全に近い状態のものが対象になっているし、変な組み合わせになっている針などあれば、即、製作・交換。

 

金張りケースの剥がれは文字盤同様、完全な修復が不可能だから、 「ハゲハゲの金張りケースの時計」 はそもそも商品化しないし、ケースの凹みやヒンジのガタつきは可能な限り修復してから納品差し上げる。

 

また、修理品ならば機能に問題がない限りそのまま使用する 「形状の不揃いなネジ」 なども、在庫しているストック品と交換、若しくはオリジナルと同形状で製作・交換する。

 

ちなみにこれら全ては、ご注文後の 「納品整備」 で行われることになるので、ホームページ上で掲載されている商品写真は言わば 「未整備状態」 ということになるが、、。

 

 

上記は全て 「外観」 に関しての違いだが、機関的にはどうだろう?

 

これは外観程ほど差は出ない場合が多いのだが、やはり平均すれば、同程度とは言えない場合も多い。

 

何故なら、 「当時の新品状態に近い精度」 の保証を謳って販売しているパスタイムの商品の場合、例えば、ガンギ車やアンクルなどといった最重要部品に明らかな磨耗や劣化があっては商品化できないから、そもそも仕入れない。

 

いや、本当のところを言うと、未だに見逃して仕入れてしまうことがあるのだが、、、これらは店頭に出せない。

 

何故なら、ガンギ車やアンクル等を完全オリジナル仕様で作り直していては、販売価格を遥かに超える(コスト=時間)が掛かるから。

 

で、出品前の検品で 「アチャー!!」 となった後、、、トボトボと力なく、店の一番奥の 「部品取りコーナー」 に放り込みに行くことになってしまうのだ(涙)

 

 

対して、修理品の場合は少々異なる。

 

いくら手を掛けても快調な作動が期待できない重大な欠損がある時計は別として、、、例えば少々歯車に摩耗があったりして新品状態は厳しいなぁ~と判断されても 「充分に実用的な精度にはなる」 ということで事前にオーナーが納得すれば、作業は進行する訳だ。

 

勿論、やるからには全力を尽くすし、与えられた条件の中で、最善の結果が出るよう頑張るのみ。

 

「この時計はお爺ちゃんなんだから、ちょっとくらい調子悪いのは仕方ないよ~」

 

などと言うつもりはない。

 

 

しかし、最初に述べたように、例外はある。

 

例えば、お預かりする時計が、内外装ともに、完全無欠に近い状態であった場合。

これはあくまで稀なケースだが、、、通常の分解掃除・調整、その他消耗部分の手直し程度で、本当に 「バシッとした時計」 になることがある。

 

数年に一度くらいの確率で、こっちが拍子抜けするような時計(?)があるのは確か。

 

 

もう一つの例外。

 

通常の修理ではなく、パスタイムの納品整備と同様のレストアをリクエストいただいた場合。

 

汚く傷だらけになったネジの研磨仕上げや交換、錆び跡の目立つ鏡面仕上げの部品の仕上げ直し、それから天輪のバランス取りをする際に削られて変形してしまったチラネジの製作・交換、重さ合わせ等々、全て施したムーブメント。

 

すり減ったリューズ、傷だらけのガラス風防の交換、ケースの凹みやヒンジピンの交換、目立つ傷の研磨仕上げ等、必要に応じて外装にも手を入れれば、これも当然  「バシッとした時計」 になる。

 

もっともこの場合、平均的な状態の時計でもうちで充分に立派な金時計が買えるほどの費用が掛かるし、、、歯車やアンクル等の重要部品の新規製作まで必要な時計をフルレストアすれば高級車一台くらいの費用が掛かっても不思議はないから、、、余程の時計でないと費用対効果は薄いと言えるが、、。

 

 

いずれにせよ、世の中、様々。

 

たかが時計、されど時計か。

懐中時計 ムーブメント

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