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懐中時計 修理 穴石交換

修理・レストア

(公開日: 2010/02/26)

穴石の中で割れているケースの最も多い天芯の穴石です。

時計の落下、修理作業中の不手際などにより天芯に大きな力が加わり、天芯が折れたり曲がったりするのと同時に、穴石も割れることになります。


穴石交換後

残念なことに、割れた穴石はそのままでオーバーホールされていたり、天芯を交換されていたりするものを頻繁に見かけますが、これでは天芯の作動抵抗が大きくなるばかりか、新たに製作・交換した天芯にも瞬時にキズが付いてしまいます。

したがって、欠損した穴石は100パーセント交換が必要です。


割れた二番の穴石

これは天芯の穴石に次いでよく見られる二番車の穴石の割れです。

二番車の穴石は天芯の穴石と異なり、使用状態においては文字盤側を余程強打しない限りまず割れることはありません。

にもかかわらずこれほど頻繁に割れたものを目にするのは、受け板をネジ止めする際に軸が穴に入っていない状態で締め付ける、または針やツツカナなどの取り付けの際に強い力を加えすぎるなどの、作業中の不手際が多いことが原因となっています


二番の穴石交換後

交換後の穴石です。

天芯同様、割れた2番車の穴石は当然車軸を削ってゆきます。

殆どの場合、すぐに時計が止まったり精度の悪化が見られたりはしませんが、確実に2番車の芯をえぐってゆき、ある時そのキズが限界に達すると不調をきたします。

ですから、持ち主がはっきり認識した時には相当症状が進んでいることになり、最悪な場合、2番車のカナ・軸をそっくり交換することになりますが、これには相当に高額な費用が必要です。

尚、どの穴石においても同様ですが、穴石の交換には細心の注意が必要なのは言うまでもありません。

いい加減な交換をして少しでも位置がズレてしまうと、テンプや歯車等が傾斜してしまい、新たな不調の原因になります。



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