修理・レストア
NOTICE:This article written in Japanese.
ヒゲゼンマイは時計の部品の中でも最も繊細で歪みやすく、取り扱いには注意が必要な部品の一つです。
修理に入ってくる時計の半数近くに歪みや、錆など、何だかの不調が見られます。
ヒゲゼンマイは天輪の振動のペースを決めるとても重要な部品です。
天輪のサイズ・重さに合ったヒゲゼンマイに交換する必要があり、ヒゲゼンマイの厚みや長さなど、強さに微細な違いでも生じれば天輪の振動ペースが確実に変化する為、ヒゲゼンマイの交換はかなり高度な修理となります。
歪みや錆が少しの場合は、錆を落としたり、歪みを顕微鏡を見ながらピンセットで修正したり出来ます。
しかし写真の様に歪み等がひどい場合はヒゲゼンマイそのものを交換する必要があります。
ヒゲゼンマイの交換が必要でも、ヒゲ玉やヒゲ持ちが傷んでいなければそのまま使用する事が出来ますが、今回はヒゲ玉も痛みが見られますので交換しました。
これで歪みも無く、ヒゲ玉も正常な物に交換されました。
今回のヒゲゼンマイは巻き上げヒゲと呼ばれる物で、平ヒゲと違いヒゲゼンマイを巻き上げる必要があり、高度の技術が必要となります。
当店では、当時の交換用ヒゲゼンマイのストックを数多くそろえてあります。