オーダーメイド懐中時計ケースのご案内
NOTICE:This article written in Japanese.
今回ご紹介するのは当店で製作したオーダーメイドの懐中時計ケースです。
当店で販売、またはお客様がお持込みになったムーブメントに合わせてケースの製作を行った例です。
製作過程を含めて幾つかご紹介しますのでご覧下さい。
先ずご紹介するのはC.H.Meylanのムーブメントを搭載したシルバーケース懐中時計。
このケースはNCフライスで切削し前後のベゼルをスクリュー仕様で製作しました。
スクリュー部、内径をNCフライスで工作後、旋盤に加えてケース形状を整えていきます。
別で製作したペンダントを本体にロウ付けして完成となります。
以下、スクリュー仕様の同タイプシルバーケースのご紹介です。
ELGINの最高級ムーブメント ブリッジモデルを搭載したシルバー懐中時計。
HAMILTON946 18size 大型ムーブメントを搭載したシルバー懐中時計。
INTERNATIONAL
こちらはギョーシェダイアルを当店で製作し、ムーブメントネジを青焼きした特別なモデル。
ボウ(下げ管)とリュウズをピンクゴールドで彩ったカスタム懐中時計。
次にご紹介するのはスナップ式のシルバー懐中時計。
搭載ムーブメントはPatek Philippe EXTRA。
製作過程を含めたご紹介です。
前ベゼル、後ベゼル、ミドルケース、合計三つのリングで構成されているので、元となる三本の銀各線を叩いてリング形状に丸めていきます。
加熱、急冷、叩き曲げの作業を繰り返して約50mmの大型リングに整形。
各線の切り口を整えてロウ付けします。
ここから旋盤に加えてケース形状に切削。
昔ながらの工法ですが、アンティーク懐中時計のケースはこうして作られていました。
ミドルケース
ムーブメントが入る内径の切削。
ムーブメントを固定するネジの位置、文字盤の到達点、巻き芯の高さなど全ての条件をクリアしないとケースとして成立しません。
ベゼルのかかるスナップの切削。
前後ベゼルの切削。
ミドルケースのスナップに合わせたベゼルを二つ作ります。
特に文字盤側ベゼルはデリケートなポーセリンダイアルに触れるギリギリの寸法で作るので注意が必要です。
ケース外径の切削。
搭載ムーブメントの仕様に合わせたケースのデザインに仕上げていきます。
今回のムーブメントはスイスの高級機なので「ボリュームを保ちつつスマートな外見」を目指して整形します。
別で切削したペンダント。
ミドルケースに穴をあけてペンダントをロウ付けします。
ボウの製作取り付け、ベゼル取手のロウ付けを経て研磨後に完成となります。
当店ではアンクル式懐中時計のケース以外も製作を承っております。
以前ご紹介したバージ懐中時計 アウターケース製作の記事、カスタム腕時計の12・14サイズケース解説も合わせてご覧下さいませ。
最後までご覧頂きありがとうございました。
記事担当 辻本