カスタマイズ
NOTICE:This article written in Japanese.
今回は、特別に注文を受けたパスタイム・カスタム腕時計です。
ベースのムーブメントは、ウォルサムの0サイズ最高峰・リバーサイドマキシマ(19石・ダイアモンドエンドストーン)です。
注文により、文字盤(文字板)は赤銅の黒染め(伝統工芸においてカラスと呼ばれる硫化皮膜)に手彫りの文字、針は鋼の鏡面磨き仕様になりました。
また、元々ムーブメントはオープンフェイスなので、秒針は9時位置にくる仕様です。
地板(受け板側)です。
最終的には視覚に入らない部分にまで丁寧にダマスキン模様が入っています。
この辺はやはり高級グレードの証と言えます。
地板に香箱、各輪列がセットされたところです。
鋼のガンギ(5番)車以外はゴールドトレイン(金の歯車)であることがお分かりでしょうか?
また、材質だけでなく、歯車の腕は綺麗に角を落として丸く仕上げてあります。
地板ダイアル側です。
やはりこちらも隠れてしまうところですが、綺麗にぺラルージュ模様が入っていますね。
カスタム腕時計完成です。
パスタイムのエングレイバー・辻本が渾身のアラベスク彫りを入れた受け板(アンクル受け含む)が時計の表情を全く別の物にしています。
また、受け板やシャトンのネジは注文主の希望により青焼き仕上げしてあります。
鎌倉時代以前から伝わる赤銅の黒染め文字盤は、市販の腕時計と違って数百年経っても色褪せることがありませんし、ムーブメントは、いくらでも修理しながら使い続けられる仕様のものです。
更に、ケースは中抜きをしない肉厚のソリッドシルバーで、防水性能も充分な上、サファイアクリスタルの風防ですから普通に日常使いできます。
20年余り腕時計探しの道に迷い込んでいた(?)オーナー曰く、「これで上がりの腕時計」と大変ご満足頂けました。
ちなみに、これは元々当店ストックのオープンフェイスのリバーサイドマキシマを注文通りの仕様に仕上げたものですが、この他のモデルでも充分可能ですので、ご興味のある方はお気軽にお申し付け下さい。