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ゼンマイについて

時計の話

NOTICE:This article written in Japanese.

(公開日: 2009/11/25)

A→香箱に入ったゼンマイ

B→劣化し縮こまってしまった鋼のゼンマイ

C→形状記憶合金のゼンマイ

ゼンマイ交換について

皆さんの中にはお持ちの時計のゼンマイが突然切れて苦い経験をされた方がいらっしゃるのではないでしょうか?

当店にて時計を整備された方は、将来に渡ってそんなゼンマイ切れの心配から開放されます。

殆どのビンテージ・アンティークウォッチには元々鋼のゼンマイが使用されています。

この鋼ゼンマイの大きな欠点である突然の破断(いわゆるゼンマイ切れ)は現実的に整備や使用法によって防ぐことの出来ない不可抗力的なものです。

また、設計にもよりますがかなりの割合の機械式時計においてゼンマイの突然の破断はそのショックにより香箱を始めとした歯車・カナの破損という重大な故障の原因となるものです。

もう一つの欠点として、この鋼ゼンマイはごく新しいうちには充分なパワーを維持するのですが、一定期間ゼンマイの入れ物である香箱(一番車)の中で収縮されるとバネ性が大きく劣化する点があります。

経年劣化したゼンマイをそのまま使用した場合、絶対的なトルク不足からテンプの振り角は本来の設計上の数値まで達さずその時計本来の精度を出すことが出来ません。

また、現在入手可能な未使用の鋼ゼンマイは全て製造から数十年は経過している古いストックですから、新品と言えども既に経年劣化しているのが現実です。

以上の理由により、パスタイムでは通常お預かりする時計の分解掃除・調整の中でオリジナルと同寸法・同トルクのスイス製形状記憶合金ゼンマイへの交換を行っています。 

※一部例外機種有り・ゼンマイの交換料金は分解掃除・調整代金に含む

この合金ゼンマイはおおよそ1950年代以降機械式時計に使われ始めたもので、最大の利点は半永久的に反発力を失わず破断することが極めて少ないというもので、欠点は特に見当たりません。

これからはゼンマイを巻き上げる度に、切れるのではないか・時計を壊すのではないかという心配はもう無用のものなのです。


※チェーン駆動の変速ギアを持ったいわゆるフュジー駆動の時計、及び一部特殊サイズのゼンマイを使用されている時計に関しては鋼ゼンマイを使用する場合がございます。



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 コラム

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