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「透かし彫りムーブメントの懐中時計・経過報告」

時計の話

NOTICE:This article written in Japanese.

(公開日: 2012/10/03)
懐中時計 透かし彫り 下書き
懐中時計 透かし彫り ムーブメント加工前
懐中時計 透かし彫り 面出し研磨
懐中時計 透かし彫り アラベスクエングレービング
懐中時計 透かし彫り 凹面穴あけ
懐中時計 透かし彫り作業 途中経過

8月にご注文いただいた 「透かし彫りムーブメント」 のカスタム懐中時計のプロジェクト。

前回このブログでご紹介したのは手を付ける前の段階だったが(8/05ブログ「ある依頼」 )、今回はその途中経過をご紹介したい。

ご注文内容は、、パスタイムにあるアンティークムーブメントから気に入ったものを選び出し、それを全面透かし彫りしたものに合わせてケースを製作、、、「両面サファイアクリスタル・グラスバック仕様」 の特別な懐中時計を作る、というもの。

具体的な仕事の順番としてはまず 「彫り」 から、その次は 「ケースの製作」、そして最後に 「ムーブメントのレストア」 ということになる。

さてさて、まず最初に行うのは、「受け板の研磨」

表面に0、1ミリほど研磨をかけることによって、元々あった模様や傷などを全て取り除き 「白紙」 の状態にする。

その次に、模様の 「デッサン」

何も邪魔するもののない白い画用紙の上に行うデッサンとは違い、各受け板の形状、軸受けの石その他受け板上の部品を避けてデザインしなければならないから、、、センスは必要。

そしてデッサンに対して依頼主の了承を得たら、、、いよいよ下絵を付ける。

ここから下絵に沿ってアラベスク模様の輪郭を彫り始め、、、現在は、「彫り終えた受け板に無数の穴を開け、その形を模様のディテールに沿って整形する段階」 に入っている。

ちなみに、エングレーバーの辻本は以前にもこの手の仕事を0サイズのカスタム腕時計でも行っているが、、、やはりこの 「穴開け」 → 「穴の整形」 の段階が一番難しく、時間も掛かるようだ。

何しろ、箇所によってはその穴があまりにも小さく、、、ドリルの製作が必要なのは元より、穴を整形する為には 「特殊なヤスリ」 を自作せざるを得ないのだ。

とういうことで、ご注文いただいてから約2ヶ月後の今、ようやっとこの段階まで到達したカスタム懐中時計。

来月末の完成まで、、、まだまだ道のりは遠いのだ。



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 コラム

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