修理・レストア
腕時計のガンギ車のホゾが折れてしまっています。
歯車と一体で出来ている軸の為、折れた軸を交換するには、歯切りをしないといけませんが、それは時間も費用もかなり掛かってしまいますので、入れホゾで修理します。
入れホゾとは、軸ごと交換するのではなく、折れた軸の先端のホゾ部分だけを、元の状態に修復する修理となります。
まず折れたホゾの太さより若干太いドリル(0.12mm)を作り、穴を開けていきます。
穴を空けを容易に行う為に、元の軸を焼き戻し、鉄を柔らかくし作業を行う事によって、軸が変色していたり、柔らかく焼き戻されたままとなっているのをよく目にします。
当店は、超硬のドリルを使い作業を行う為、元の軸の仕上げや硬さはそのままで修理でき、入れホゾの修理跡が一切残りません。
腕時計のガンギ車なのでとても小さく、ホゾも0.1mmほどです。
楊枝の頭でサイズの比較をしています。
元の軸に穴が空いた様子。
空いた穴に、青焼きの炭素鋼を抜けない強さで圧入します。
穴石に合わせ、ホゾの太さ、長さを削りだしていきます。
完成。