カスタマイズ
古くは平安時代から工芸品に用いられてきたと言われる赤銅は、銅に純金を溶かし込んだ合金。
その赤銅をいくつかの薬剤で煮込んで黒染めする技法は我が国古来の伝統技法で、刀の鍔をはじめとする刀装具や、金工品に広く使用されています。
今回はお客様からのご要望により、赤銅で時計ケースを製作致しました。
赤銅のリング材を旋盤で加工します。写真は削り出して整形した状態のものです。
お客様のご要望で、ケースに溝をつくり純金の線を一周埋め込んでいきます。
ケース本体を歪ませることの無いよう慎重に作業を行います。
金線の埋め込みが完了しました。この状態から表面を綺麗に均して最終仕上げを行います。ケースの加工作業が全て終わった後、薬剤で煮込んで黒染めを行います。
黒染めは表面の仕上げの状態によっては色ムラが出てしまうので、最終仕上げはいつも以上に慎重に行います。
無事に色ムラもなく黒染めが完了しました。風防の取り付けと整備が終わった時計を組み込んで完成です。風防は表、裏ともに、特別オーダーした平面サファイアガラスを使用しています。
深みのある黒に染まりました。金との色合いの相性も良く非常に上品です。
世界に一つだけの素晴らしい一品が完成しました。
一点もの赤銅ケースの時計、如何でしょうか。腕時計ケース等でも製作可能ですので、ご興味のある方はお気軽にお申し付け下さい。
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最後までご覧頂きありがとうございました。